北京五輪とドーピング問題について
2022年2月に行われた北京五輪。スピードスケートやカーリングなど、今回の北京五輪では史上最多の109種目が行われ、盛り上がりを見せましたね。ただ、今回の大会で選手たちの活躍と同時に大きく問題となったのが、フィギアスケート界での「ドーピング問題」でした。
そもそもドーピングとは?
ドーピングは、運動能力・筋力の向上や神経の大きな興奮などを目的として、スポーツにおいて禁止されている薬物を使用したり、物理的方法を採ったりすることです。
競技に参加する前に、検査によってドーピング違反が確定すると、参加資格を失うことになり、その種目の成績は抹消されます。また、予選などであれば、それ以後の競技に参加できなくなります。
フィギュアスケートでのドーピング問題
今回、北京五輪開催中に物議を醸したのがフィギュアスケートの種目で「金メダル確実」と言われていたロシアのカミラ・ワリエワ選手のドーピング問題。
昨年12月25日に行われたロシア選手権で、採取された彼女の検体から禁止薬物が検出されたことが五輪中に発覚したことから問題となりました。結果的に彼女は今回の五輪に出場できましたが、その最大の理由は彼女が16歳未満の「要保護者」に当たったからと言われています。
彼女の言い分としては「(彼女の)祖父が接種しているものを間違えて飲んでしまった」ということでした。若いアスリートの場合は、自分自身の判断ではなく、ドーピングに関わってしまうことも多く、判断能力に欠ける若い芽をつぶさないために特別な配慮をすべき存在として「要保護者」という概念が作られています。今回の判断はその点が配慮されたということです。
ロシア代表選手団について
そもそもロシア選手は、2018年平昌五輪、昨夏の東京五輪に次いで、3大会連続で「ロシア代表」を名乗れない状況が続いていました。それは、2016年に発覚したロシアによる国家ぐるみのドーピング隠し騒動が発端となっています。組織的なドーピング問題の制裁措置として、国旗や国歌の使用を禁止され、現在は「ROC」(ロシア・オリンピック委員会)として、選手たちは個人資格で出場しています。
なぜドーピング問題はなくならないのか
ロシア ドーピング なぜと思われる方のために説明すると、メダルの獲得は、記録の更新や選手に巨額の報酬をもたらすとともに、周囲の指導者や関係者にも多大な利益をもたらします。加えて、国家の連帯感を強くすることもできるため、国家によるスポーツ利用や為政者による政治的な利用のためとも関係しているようです。
実際にロシアだけではなく、ケニアやブルガリア、カザフスタン、ベラルーシなどでも組織的なドーピングが発覚しています。
最後に
トップ アスリートによる「ドーピング問題」はなかなか無くなりません。しかし、ドーピングは、スポーツの公正さを失うだけでなく、選手の健康を害し、スポーツの価値を下げてしまいます。オリンピックやスポーツを持続可能にするためにも、負の遺産の撲滅を図っていかなければなりませんね。