大型補強をしたソフトバンクが大苦戦!2023年これまでを振り返り
2023年のプロ野球シーズンも後半戦に突入。大型補強を敢行し「絶対優勝」の構えでシーズンに挑んだ福岡ソフトバンクホークスですが、現在リーグ3位、首位のオリックス・バファローズと大きく離され厳しい戦いを強いられています。川崎宗則も所属していた事がある福岡ソフトバンクホークスの2023年について振り返りますよ。
2023年ホークス まとめ
藤本博新監督の指揮の下、2022年シーズンに臨んだホークス。前年4位から首位争いを繰り広げるに至りましたが、首位バファローズと勝率を同じくしながら、バファローズに負け越したために2位という結果に終わりました。
2020年以来のシーズン優勝を達成するために、シーズンオフに大型補強を行い、断トツ優勝候補としてシーズンに挑んだホークス。2023年のこれまでの戦いについてまとめましたよ。
主力も控えも、充実した補強
まずは、ホークスの大型補強について詳しく紹介。何と言っても近藤健介選手、オスナ投手の二人の補強が目玉です。WBCでも活躍したリーグ屈指の好打者、「打撃の天才」とも呼ばれる近藤健介選手は昨年オフ、北海道日本ハムファイターズからFA、争奪戦の末ホークスが獲得しましたよ。オスナ選手はメジャーでの実績もあるクローザー、昨年はシーズン途中から千葉ロッテマリーンズで活躍しましたが、今年はホークスでプレーすることとなりました。
他にもFA宣言した嶺井博希捕手、昨年までタイガースで活躍したガンケル投手、メジャーから日本球界復帰した有原航平投手などを補強、充実の戦力でシーズンに臨みました。
打線は期待通りの活躍
2021年シーズンに2割7分、21本のホームランを放ちながら、昨年は怪我で5試合にしか出場できなかった若きホープ、栗原陵矢選手も復帰。その栗原選手の活躍で開幕三連戦を三連勝スタートしたホークス。柳田悠希選手と近藤選手が8月5日時点でリーグの打点ランキング上位に入り、侍ジャパンにも召集された牧原大成選手も活躍、2014年の最多安打、中村晃選手の復調などもあり、打線はシーズン序盤から長らく期待通りの活躍を見せていました。
先発陣に不安
一方、優勝候補にあげられたホークスの、開幕前での唯一の懸念点は先発陣にありました。2016年から7年連続で二桁勝利を挙げていたホークスローテーションの大黒柱、千賀滉大選手がメジャー移籍、抜けた穴を埋められるようなエース格の投手がホークスには存在しなかったのです。
開幕から暫くは、最多勝のタイトルを獲得した経験のある中堅、東浜巨選手や石川柊太選手、素晴らしい能力を持ちながら体調不良に悩まされる大関友久選手、昨年NPB復帰し中継ぎとして大ブレイク、今年先発に転向した藤井皓哉選手、安定したピッチングを見せるものの今年42歳になった大ベテラン、和田毅選手で回しました。
リリーフ陣は鉄壁に思えた
近年は成績がもう一声欲しいとなっている中堅や体調に不安のある選手、一年やれるか不透明な選手がローテーションに揃う中、不安を補って余りあるホークスの武器がリリーフ陣でした。8回は現NPB最強格リリーバーであるモイネロ選手、9回は新加入のオスナ選手。6回や7回を任せられる投手の候補も豊富にありました。
先発投手陣もシーズン序盤はなんとか試合を作り、リリーフ陣も盤石。打線も近年のホークス中ではトップクラス。それでも野球は難しく、前半戦のホークスは事前に予想されたほどの断トツとはいかなかったものの、バファローズなどと離されずに首位争いを展開していました。
悪夢の12連敗
風向きが変わったのは、7月。7月7日から7月24日まで、悪夢の12連敗を記録することになったのです。その要因は複数ありますが、一番の要因は得点が取れなかったこと。12試合のうちほとんどの試合で2点以内という少ない点数となっていました。点が取れない理由は、シーズン序盤から活躍していた中村選手や牧原選手に少しブレーキがあったこと、ずっとスタメン起用が続いていた栗原選手が、開幕カードで活躍して以降調子を落とし、なかなか成績が上がらなかったことなどが要因にあげられるでしょうか。とはいえ打線は水物、ほんの噛み合わせの悪さで、いかに柳田選手や近藤選手がいようとも点が取れなくなることはあります。
まさかのモイネロ離脱
それでも投手陣が0で抑える試合があれば、連敗はどこかで止まっていたはず。しかし圧倒的エースのいないホークスではそれが叶わず、連敗をずるずるとひきずることになりました。まずかったのが、モイネロ選手の離脱です。ここ数年フル稼働、今年もWBCからプレーしていたモイネロ選手、しかし体は悲鳴をあげており、左肘を手術することとなりました。勝ちパターンの一人を欠いたホークス、同時にそれまで好調だった他のリリーフ陣にも失点が見られるようになり、それまでは物にできていた接戦を落とすようになってしまったのです。
外国人打者補強の不発
連敗中に点が取れなかった理由の一つが、本塁打がなかなかでないことです。ホークスのチーム本塁打数は、現在リーグワースト2位、また、外国人選手のホームランは一本しかありません。今年はアストゥディーヨ選手、ホーキンス選手を獲得してシーズンに臨んだホークス。昨年から二年契約のガルビス選手も含め、全員が一軍で結果を残すことができていません。
デスパイネ再獲得も悪手に?
シーズン途中には、なんと昨年までホークスで活躍したデスパイネ選手を再獲得。急ピッチで調整し、一軍に合流したデスパイネ選手ですが、まさに12連敗の期間中にスタメンで度々起用され、結果を残せずブレーキに。12連敗の主要因の一人となってしまいました。もし、昨シーズンのオフにデスパイネ選手との契約を終了せず、今年の頭からチームに合流できていれば、この時期の成績も変わっていたはず。デスパイネ選手との契約事情がどうなっていたのかは分かりませんが、これは編成面のエラーと言えるかもしれません。
再浮上に向けた光は?
結果的に連敗脱出した試合は、バファローズ相手に登板した有原投手が山本由伸投手と投げ合い、完封で勝利したという試合でした。調整が遅れ開幕からローテーションに入ることが出来なかった有原投手ですが、交流戦ごろからローテーションに入ると先発陣で最も安定した投球を見せています。他の先発陣が調子を落としていることも踏まえると、正に現在のエース格と言えるでしょう。流石メジャー帰りという、貫禄のあるピッチングで今のチームの光となっていますよ。
遂に目覚めた大器
先発陣では、更にカータースチュワートJr.投手も好投を連発、ブレイクの兆しを見せています。2019年よりホークスに加入したスチュワート選手は、ただの外国人助っ人ではなく、かつてメジャーのドラフトで1巡目指名を受けた正しく金の卵。契約がまとまらなかったところをホークスが獲得した、異例の経歴を持つスチュワート選手ですが、今年とうとう一軍の戦力に。今後も好投を続けることができれば、ホークスの反撃の原動力となるかもしれませんよ。
野手陣はアピールが今一つ物足りない
一方で、野手陣はアピールがいまいち足りないという状況。打線が不調だった連敗中も、名を挙げたフレッシュな戦力などは見当たりませんでした。また、折角FAで獲得した嶺井捕手も、正捕手である甲斐拓也捕手の負担を軽減するような使い方をしたかったところなのですが、ここまではベンチが持て余し気味のように映っています。ここからの反撃のためには、野手時の復調が必須。これからの活躍に期待したいですね。
最後に
今回は福岡ソフトバンクホークスの2023年シーズンの戦いっぷりを振り返りました。
連敗脱出後もチーム状況はそこまで変わっていないホークス。敗けた分連勝して、なんとかファンの期待に応えてほしいですね。